Turner の Loire ブロワ


EGの旅の約50年前、1826年にLoireを旅したJMW Turnerの残したブロワの風景。EGの視角が標準レンズのそれだとすれば、Turnerは広角レンズの目で見て風景を描く。ここに紹介する絵も、Turnerのスケッチを元に彫版師が鋼版に起こしたもの。100dpiのスキャンではモワレが出るほど細密なものだ。




同じくTurnerによるブロワ城のスケッチ、全体とその左下部分(城に通じる石段)。

E.G. の Loire ブロワ城


ロワール川右岸に立つ Blois 城の内部。城主 Louis XII による暖炉。




上部にハリネズミとサラマンダーの浮彫り装飾が見える。繰り返されるLAの文字はLouis XII とその妻 Anne of Brittany それぞれのイニシャル。



Francis I による螺旋階段。初期ルネサンス様式の傑作といわれている。

Ernest George の Loire

Etchings on the Mosel (1873) の成功に勇気づけられた EG は Loire のスケッチの刊行に取りかかる。例によってスケッチを自ら銅版画に起こし、1875年 Etchings on the Loire として上梓する。山城とひなびた農村の風景を中心としたモーゼル河谷の風景と、貴族の城が点在するロワール河畔の景観の対比がおもしろい。

旅の出発点は Orleans. (当時にあってもすでに)近代化された Orleans にいにしえを残す旧市街。St. Jacques 教会の趣あるたたずまい。