アーネスト・ジョージのモーゼル川


ヨーロッパの「描かれた風景」を少しずつこの日記を見てくださる皆さんにご紹介したいと思う.上に掲載したのはイギリスの建築家で版画家・水彩画家でもある Sir Ernest George (1839-1922) の Etchings on the Mosel (1873,London) からの1枚.モーゼル河谷でおそらく最も有名な城のひとつである Burg Eltz (エルツ城、版上のタイトルは SCHLOSS ELZ).写真等でご覧になったことがある方も多いだろう.しかし、アクセスが良くないと考えられているせいか実際に訪れた方は少ないのではなかろうか.かく言うわたしも、昨年モーゼル沿いを鉄道で旅する機会を得たのだが、雨模様ということもあってこの城を訪問するのをあきらめ目的地を Trier (トリア) にかえてしまった.この版画は本の出版年からも分かるとおり19世紀後半に描かれたものだ.しかし最近撮られた写真と比べても城自体はもちろん周囲の様子もあまり変わっていない.
http://www.burg-eltz.de/
次回はこの城の E.G. によるもう1枚の版画をご紹介しよう.